日本島嶼学会会長 竹内啓一氏の所感によれば、瀬戸内海の海と島々は、島国日本の中にあって、
ある時は重要な交通路として、海資源の宝庫として、又ある時は人々の生活を隔てるものとして、
私たち日本人に歴史的にも文化的にも深い影響を与えてきたと語られてれています。
それだけではなく、いわゆる本土と瀬戸内の島々とは、先史時代から現代にいたるまで、
政治の面でも、文化の面でも、生活の面でも、孤立した環境であるがゆえにそれぞれの島々が
個性的な生活文化を育み、維持する事で、対立と共生、相違と共通性という
一見矛盾する関係をも持ち続けることにより日本人特有の精神風土の形成にも、
大きな影響を与えてきたとも語られています。

一方21世紀、新しい時代の波がを私たちにもたらしたものは、経済・文化の都市
一極集中の中での、生活環境の過密化、教育環境の過密化、地方の急速な過疎化等、
自然と共生して生きる事とは、はるかに遊離してしまった生活スタイルでした。

しかしそうした生活環境の中にあっても、私たちは、夜の暗やみの中で空を見上げた時、
あるいは散歩のみちすがら季節の風にそよぐ草木を眺めた時、ふとした機会に自然の神秘に満ちた
不思議な力を身近に感じ、ひとときであっても深い感動とやすらぎを得ることができるのでは
ないでしょうか?
それは人間がもともと自然の一部であり、自然に生かされているという「あたりまえの生物としての
自分自身の輪郭の実感」の安心感がもたらす「自然共生・共感体験」の一瞬ではないでしょうか?

グローバル化という名の津波のような時代の流れの片側で、バブル経済の崩壊にあえぐ日々の中、
「個人にとって、家族にとって安らぎのある安全で豊かな生活とは何か?」と言う問いに
思いを馳せる人々も増えてきました。
次世代を担う若者たちの生活スタイルにも変化が現れ、「未来への確かな希望・新しい価値観」の
模索と「自分存在の実感のもてる生活」への模索が始まっているのです。

このような時代の変化の中にあって、目を転ずれば過疎化の波にさらされ、時代の波に
取り残されたかに思われてきた瀬戸内の島々のライフスタイルの中には、人間と自然が共存する
豊かな知恵が、現在に至るまで日々の生活文化として営々と守り伝えられ、未来への希望を
つないで来ています。
人々が安心して豊に暮らすためには、自然とどのように共生して生きれば良いかという生活の知恵を
島の生活文化の知恵として今現在も 日常の生活の中で体現しているのです。

この度私たち「よみがえれ浦島の海・海のアースデー詫間inAwashima」イベント実行委員会は、
「都市生活者と島生活者」が「都市文化と島文化の対立」から脱して、お互いの価値観を
未来への生活ニーズとして共有できる今こそ、瀬戸内海の島「粟島」から、家族を愛し、
自然を愛するあらゆる人々が連携して、悠久の物語り「浦島太郎伝説」を背景に
新たな「21世紀の地球生活環境」のあり方を共に発見し、発信する事に向け、
「自然と遊び」「自然を共感し」「自然と過ごす」熱く楽しいイベントへの参加を
呼びかけさせていただきます。