1.粟島神社百々手神事について

昭和三十六年、香川県教育委員会より粟島神社百々手行事が無形文化財として指定された。
百々手行事は各地に今尚残っているがモノイミがもっとも厳粛に行われている点で特に粟島を
指定したものと思われる。
誰でも常識として知っているようで 割合知られていないので 粟島叢書の一として
その大要を記すこととした。

組織
トーヤは本頭と副頭との二軒である。本頭はカミ(潟組)とシモ(滿組)の両部落から毎年交互に勤める。
十五〜二十戸が一団をなしてトーグミというものを組織している。このトーグミは戦前は十三組に分かれて
いたのを十一組にし最近では九組に減じている。
組分けは粟島の東半分をカタ組、西半分をミチ組にしてはじめは部落の集団にせずバラバラにして組を
作っていたが、手伝いや何かに不便があるので家の位置の順に決めた。
トーヤのあたる順番は記録して決まっている。例えば今年のカタの二番が本頭でミチが副頭であれば、
来頭(ライトウ)はカタの三番が副頭になりミチが本頭になる。
トーヤの決め方
十数軒一団のトーグミに於いては急の正月七日頃までにその年のトーヤをつとめる家を選出する。
選出方法は相談によって決める。
第一に相当広い家でなければ出来ない。少なくとも六、六、六、八の間がなければならず、
それに常人の使わない上便所が必要である。
それ故十年に一回廻ってきても一代一度もせぬ家もあれば、一代に二、三回もつとめる家も生じる訳である。
トーガシラ
拾数軒のトーグミに於いてその内にトーガシラと称する家がある。昔は家柄その他から選定されたが今は
トーグミ相互の互選で決めている。