粟島の竹細工職人
山北友好さんの試み
近年急激に過疎化が進む粟島では、田畑がどんどん竹に侵食され、竹公害と呼ばれるまでになっています。粟島でも昔は竹の子掘りだけでなく、日常に欠かせない生活道具として、竹は様々に活用されていました。
しかし今では、竹の加工技法を伝える人も高齢化が進み、竹を資源として
美しい工芸品を生み出す竹細工も危機的状況です。
そのような中、山北さんは竹を使った伝統的民具の
造り方の技法を保存してこられました。
右写真の「箕」も、山北さんの指導で粟島在住の
ヨットマン元山さんが造ったものです。
山北さんは竹細工の素晴らしさを伝えるために、
粟島を訪れる子どもたちに向けて、竹細工教室の
プログラムも開発しています。
竹を「竹公害」の元凶とするのではなく、素晴らしい資源として取り組む山北さん。
竹を資源としてもう一度見直してみましょう。
子ども向け竹細工↑
教室の材料。
今回はみんなで
「孫の手」づくりに
挑戦。
↑山北さんの指導で
 造られた「箕」

山北さんの虫たち。
細い竹の節が、まるで生きている虫の関節のようです。
虫を創るには虫を知らなければならないのは当然です。
竹細工教室に参加する子どもたちは、一生懸命昆虫を観察します。

←工房で製作中の山北さん。
部屋のそこここに、山北さんが生み出した虫たちが
います。
粟島には、孟宗竹・真竹・破竹等が自生していますが、
山北さんが材料とするのは、主に真竹です。
竹を加工するには竹の種類によって素材の性質が違いを
知らなければならないのは勿論のこと、乾燥度合いや、
天候・気候なども影響するそうです。
海と竹林に囲まれた江灘にある山北さんの工房は、
ゆったりと時間が流れています。
粟島に来られたら、ぜひ一度 山北さんの竹細工工房を
訪ねてみてください。
←竹に囲まれた山北さんの自宅工房
      →
自宅工房の前は
阿島を望む砂浜
です。